映画雑記

映画、アニメ、マンガをレビューしてます

THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦 DC版

初日観てきた。

新宿ピカデリーにて舞台挨拶回を見た。
自分は連続シリーズの1章から7章、公開版の首都決戦も映画館で観て、いくつかは舞台挨拶も観た。
実写シリーズは良くも悪くも良いとこもある悪とこも多いというのが全体の印象だ。

単刀直入にいえば5月に全国で公開されたのは90分版で良かったと思う。
今回の120分版は押井守っぽさが濃かった。それでも押井守作品では分かりやすいし、押井守のイズムが分かりやすく前面に出てると思う。
これは一般向けではないと思った。
舞台挨拶で監督はディレクターズカットは大体面白くないと言ってたがまさにブーメラン発言だった。
だが押井守テイストがご褒美に感じる人もいる、まぁ自分だけど。
信者的には90分版で不満というか物足りなさを感じたとこは補完されたと思う。

改めて観て思ったのはヘリ同士の空戦シーン。
古今映画でヘリ同士の戦いってのはなかなか無かったと思う。これを長く見せてくれたのはニッチな戦い好きには美味しかった。
銃剣格闘もまた長くなってて嬉しい。
真野ちゃんも格闘シーンできるんだから下段回し蹴りだけじゃなくガッツリした見せ場欲しかったな。
大田原とひろみちゃんのシーンはあまり追加なかった。特2の馴れ合いももっと追加欲しかったなぁ。

カンフージャングル

初日に新宿武蔵野館でカンフージャングルを見ました。
映画関係ないけど新宿武蔵野館はいつの間にか整理券制から指定席制になってた。ネットでも買えるようだ。
初めてシアター3に入ったが広いスクリーンもあったんだな。
さすがドニーさん映画だった。女性客も多かった。

ストーリーはカンフーの達人の連続殺人が起きて、カンフーで殺されてるから犯人はカンフーの達人って事になり、殺人で収監されてるドニーさん演じる元警察のカンフー教官に釈放をかけて捜査させるという話。
なんというか粗筋を聞いたときは正気を疑った。

正直見る前は不安だった。
最近の公開されたドニーさん映画といえばアイスマンスペシャルID、西遊記だ。どれも硬派なカンフーとは言い難いし、ドニーさんは中学生みたいなキャラばかりでこんなんだったらどうしようと思った。
しかし杞憂であった。
粗筋というかストーリーはアホだが格闘シーンも多くてとても楽しめた。
何よりカンフー愛に溢れててカメオ出演の人は誰かよく知らんがカンフー映画の重鎮なのは分かるしリスペクトがハンパないのがわかった。
自分が分かったのはトラックを運転するブルースロウくらいだった。

敵役のワン・バオチャンは凶悪な連続殺人犯だが憎めない。
とくに死んだ妻の誕生日にノコノコと警察が罠を張ってるアジトに帰ってくるときの笑顔は満点の笑顔だった。
最後に射殺されてしまうのが悲しかった。

ブルース・リーにワン・ユーにリスペクトを捧げてるのも嬉しかったよ。

三級片スーパークレイジー極悪列伝 八仙飯店人肉饅頭

ハーマン・ヤウ監督と主演アンソニー・ウォンの初期三作の特集上映

ハーマン・ヤウとアンソニー・ウォンといえばイップマン最終章が記憶に新しい。
この三作は香港が中国に返還される数年前に製作された。当時香港返還の話があり世間では不安などがあり、さらに羊たちの沈黙のブームで実録猟奇殺人映画が流行ってたという背景があるらしい。

軽く各作品の感想を。

八仙飯店人肉饅頭
ハーマンとアンソニーのタッグ1作目だ。
マカオで八仙飯店を乗っ取るため八仙飯店を経営する家族を殺した男とそれを追いかける刑事たちの話。
とにかく容赦ない映画だ。アンソニーは殺したアルバイトを殺して人肉饅頭にするシーン。とにかくボディーは透明にしちまえ精神を貫いて工程を丁寧にみせる。
もうひとりレジ打ちの女性アルバイトはレイプして股間に箸を刺して殺す。
自分の隣の席の女性客はこのシーンで眼を潜めてた。
この映画は2幕構成だ前半はひたすらアンソニーに外道っぷりを見せる。刑事に捕まりその後2幕目が始まる。
2幕目は刑事がアンソニーに起訴するために自供するまでひたすら拷問をする。
殴る蹴るはもちろんションベンをかけたり薬物投与して興奮させ眠らせない、背中に水注射して横になれないようにする。
おそらく2幕目はそれまで外道と思わせたアンソニーを可哀想と思わせようとしたのだろう。
けどやはり自供して一家殺人を映像で見せるのでアンソニーに1秒でも感情移入した自分を後悔するのだった。
なにも子供を殺して解体するとこまで見せなくても。

もう一つの注目は刑事部長役のダニー・リーだ。
この映画でアンソニー以上によく分からないし感情移入が不可能なキャラだ。
登場初期はひたすら現れる度に売春婦を連れて登場する。実際にダニー・リーは撮影現場でも女を連れてくるらしい。
だが途中からいきなり敏腕刑事になる。アンソニーの行動を読んで逮捕する。
2幕目拷問でボコボコにされたアンソニーを気遣い始める。と思ったら立場が危うくなったダニーは突如拷問を強要しはじめる。
よく分からないキャラだ。
多分この映画のプロデューサーであるダニーは終始イヤな奴だったキャラを好きな様にいじくってしまったのだろう。
男たちの挽歌最終章でも刑事は殆ど活躍が無かったらしいが出番を増やしまくって結果ヒロイン置いてけぼりのブロマンス映画になった。

あとはハーマン監督の社会派な部分も三作中の中では1番出てる作品でもある。
後半は体制側の批判になってる。



キートンの大列車追跡

キートンの大列車追跡を見た

キートン将軍、キートンの大列車強盗と別題もあるようだ。
原題はジェネラルなのでキートン将軍の題が好み。
将軍はキートンの載る機関車の名前だし伏線にもなってるのでキートン将軍がいい。

ところでこの映画はマッドマックス怒りのデスロードの大元の元ネタと感じた。
駅馬車七人の侍と元ネタにしてるが一番近いのはキートンの大列車追跡だと思う。

南北戦争時のアメリカ、キートンは南部の機関車運転手。
徴兵検査に落ちたキートンの載ってた機関車が北軍のスパイに奪われそれを取り返す為に追い掛けるという話。機関車には偶然載ってた恋人が人質になっていた。
冒頭15分くらいだ。
残りは追い掛け、奪い返し北部を脱出するだけ。キートンが体を張ったアクションとコメディの連続だ。

いわゆる喜劇だが、キートンが殆どポーカーフェースなのには驚いた。
マックスのキャラの原型にもなっていた。
列車の屋根を移動して戦うのはマッドマックスでも同じ事をしていた。

前半の追跡部分が後半の脱出部分の伏線なのも構成がうまい。

冒頭、機関車の車輪に腰を一人で下ろすキートン、ラストシーンがヒロインと二人で腰を下ろしてるシーンは感動した。



アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン

アベンジャーズ エイジオブウルトロンを鑑賞

マーベルシネマティックユニバースシリーズの1編。
アベンジャーズとしては2作目だがシリーズとしては11作目。
もちろん単体でも映像が凄いので楽しめるが、個々のキャラクターは10作分の積み重ねがあるので出来れば過去作も見てからの鑑賞を勧めたい。
今作は折り返し地点でもあり、本筋の話であり次の展開への架け橋的作品なので位置的には重要な作品だ。

ストーリーは要約するとアイアンマンが開発した人工知能が暴走して世界を滅ぼそうとするという話。

とにかく2時間半も尺があるのに話をこれでもかというほど詰め込んでる。様々なキャラクターの話が同時に進むので退屈な会話シーンでもよそ見をすると次の展開になってる。
本筋と同時進行する話をまとめると
1.アイアンマンが外的脅威に不安を抱く
2.キャプテンアメリカとアイアンマンの確執
3.ハルクの感情の制御
5.ホークアイの家族
6.スカーレットウィッチとクイックシルバーの誕生
7.ヴィジョンの誕生
8.シールドの復活
9.オーブの行方
ほぼこれらが同時に進行して、さらにウォーマシンの活躍などまである。
戦いのシーンも一画面に複数のキャラが活躍するので一見では追いきれない。

今回嬉しいのは単体映画がなく活躍が少なかったホークアイブラックウィドウマーク・ラファロのハルクが活躍多目になってる。
ホークアイに至ってはバラバラになったヒーローを繋ぎ止める重要な役だ。
個々の理由で戦ってるヒーローが正義の意味の齟齬でバラバラになるが、ホークアイの家族を見てとりあえず今護るべき物を再確認し協力する。
ここだけは彼らもヒーローしていた。

この映画は三部作でいえば二部作目の映画なので提示された問題や伏線は殆ど解決されない。
ハルクは感情の制御が結局できず消息を断つ。
原作ではアイアンマンが宇宙にハルクを捨てて地球に復讐しにくる。
アイアンマンとキャプテンアメリカの確執はキャプテンアメリカ3に持ち越し。
ビジョンがスカーレットウィッチを助けるシーンがあったが原作では2人は結婚し、スカーレットウィッチが暴走してビジョンを殺し、世界を滅ぼしてしまう。
とりあえずアベンジャーズ3までしか製作は発表されてないがまだまだ続きそうだ。

しかし歪な映画だ。
ひたすら戦闘シーン、早い展開、
見れば分かる通り世界を救うのも滅ぼすのもアベンジャーズだ。原作が仲間割ればかりしてるから仕方ないと言えばそうなんだが、やはり映画でも気になってしまう。
お祭映画といってしまえば聞こえはいいが、、、同じ戦闘シーンの連続的なジェトコースター映画でもやはりマッドマックス4のほうが映画としては格段に出来がいい。

アリスのままで

アリスのままでを見た

アリスを演じるジュリアン・ムーアが若年性アルツハイマーになり病気と闘う様子を描く。

ジュリアン・ムーアといえばビックリボウスキで全裸で飛び回ったり、ブギーナイツでAV女優役をやったり、マップトゥスターズでウンコをブリブリしたり、ハンニバルで食人連続殺人鬼と恋したり、暗殺者でドジっ子メガネっ子ヒロインを演じた名優だ。
そんなイカれた演技に病名を付けて見事に今回アカデミー女優賞を受賞した。

アルツハイマー症で失われる思い出と尊厳をテーマとし描く。
終盤、記憶を失う前に残したビデオメッセージでセルフ尊厳死をしようとするが尊厳死すら出来ないシーンは印象に残った。

おそらく意図的だが
全体的にハラハラさせる展開が多い。
例えばアリスが料理をすればコンロを着け野菜を切り誰かが家に尋ねてきて次々と質問をする。
火を忘れるんじゃないかとヒヤヒヤする。こんなシーンが多い。

もう一つハラハラといえはアリスの夫役を演じるアレック・ボールドウィンだ。
去年公開されたウディ・アレン監督のブルージャスミンでは妻を騙すは浮気するはで最低のクソ夫を演じた。
今作ではあんまりにも良い人なので終始いつ裏切るのかとヒヤヒヤだ。

褒めてるんだか貶してるんだが分からん文章になったが面白かった。ジュリアン・ムーアの名演入門編にも良いのでオススメである。


ガンダム0080 ポケットの中の戦争

好きなガンダム作品のひとつだ。
富野監督の関わっていないガンダムでは0080Gガンダムが好きだ。どちらも脱ガンダムに成功してるから。

ガンダムの作品の振り幅を広くした作品としてはどちらも成功してる。
0080では初代ガンダムで表現しなかったリアルな描写を更に徹底させてるMSの細かいディテールの追加やバイオレンス描写だ。
MSのマシンガンでコクピットを打ち抜かれれば当然パイロットはミンチになる。
白兵戦でもショットガンで撃たれた人は体中に穴を開けて吹っ飛ぶ。
街中で戦えば民間人が下敷きになる描写がある。

もう一つは子供視点で見る戦争という事だ。主人公のアルは最初は戦争に憧れてるが精神的に大人に成長する話になってる。
子供から大人の成長はガンダムでは一貫したテーマだ。

ポケットの中の戦争は舞台になるコロニー=ポケットとも取れるし、ポケット=子供、ポケット=初代ガンダムのスピンオフとトリプルミーニングになってる。

改めて観て調べると
スピルバーグ監督の太陽の帝国が元ネタのようだ。