ザ・ゲスト
ザ・ゲストをみた。
前評判がかなり良かったので。
ある日普通の家族に戦死した兄の親友を名乗る素性不明のイケメンが家に住み着く。
イケメンは家族をどんどん魅了していき打ち解けていくが、、、というお話。
間違いなくパゾリーニのテオレマだ。
途中、実は元特殊部隊の実験兵士だったのが分かる。
テオレマの派生は家族ゲームなど数あるが
テオレマ+元特殊部隊物というのは中々新しい。
終盤はハロウィンだ。
その実験兵士は素性がバレると自衛本能で関係者を全員皆殺しにする事がわかり、実験兵士を始末する為に来た軍人と姉弟が逃げるという展開になる。
最期の戦いの場所はハロウィンパーティの出し物の迷路で戦いと悪の教典的展開にもシビれる。
鏡の迷路での戦いは燃えよドラゴン風だ。
全編に流れるBGMもどことなくカーペンター風だ。
低予算な映画だが、きっと映画好きのボンクラが自分の好きな映画をブチ込みまくって作ったノリの映画でなかなか面白かった。
横山光輝 超絶レアコレクション
僕は映画以上に横山光輝が好きである。
この本の第1印象はとにかくタイトルがダサい。
超絶レアって商品名にしてしまうセンスは頭が悪すぎる。
横山光輝先生の短編集である。
収録作は
初恋
オレとおまえ
城と太陽と名探偵
長征
怪物
まんが浪人
まず初恋は見開きカラーのイラストにポエムが書いてある。珍しい作品だ。
ポエムはやたらキザでクールだ。だが呼んでる方が恥ずかしくなるくらい甘酸っぱい内容だ。
次はオレとおまえ。
この単行本の半分を占める。150Pほどの中編作だ。
主人公は何かに絶望してケンカとバイクに明け暮れてた。
憂さ晴らしにケンカに明け暮れる学生はあばれ天童の終盤を思い出す。
中盤は何かに怯えながらバイクレースとケンカに明け暮れる。
横山先生は幾つかのレース漫画やボクシング漫画を書いてるが殆どが暴走やスリル中毒になり事故死する話が多い。
その様な雰囲気が漂い始める。
終盤主人公の怯える原因が母親の原爆病の遺伝で余命幾ばくない事が明かされる。
少ない余命をバイクを通じ暴走族のリーダーと友情を育みヒロインと青春を楽しみ息を引き取るとだった。
学生版の生きるみたいな話だった。
原爆2世は当時の社会問題だったらしく、さりげなく学生青春モノに社会問題をテーマに入れてるあたり横山先生らしさがでてる。原爆2世の描写については巻末に注意書きがついてる。
城と太陽と名探偵は梶原一騎原作だ。というだけで読む価値がある。
長征は後に長期連載版のプロトタイプだ。
長期連載版はよりハードで戦国獅子伝並みのハードさだ。
怪物は60年代怪奇映画のような内容だ。
原作も長くない話だが、横山版も16頁と物凄いテンポの良さだ。コマ割りが細かい。
そして、まんが浪人がついに単行本収録だ。
おれは、漫画が性にあってるんかなぁがこの漫画を表してる。
この漫画は別冊ジャンプの企画で漫画家の自伝シリーズの一編らしい。
他の漫画家が俺は漫画家になる!とか漫画論など熱意を語ってる自伝なのに対し、漫画は趣味と言い切ったり。サラリーマンになって、すぐ辞めてニートになったりする。
出版社から何冊売れた?と聞かれ、さぁ?と答えたり漫画は趣味というスタンスで書いてるのが面白い。
漫画論ならぬ横山光輝漫画論が描かれてるのだ。
あまり私生活とかが不明な横山先生の断片が読めて面白い。
あまりの内容に企画単行本化のときにハブられてしまったらしい。
マッドマックス 1と2
先日新宿ピカデリーで轟音上映会で1と2が再上映された
舞台挨拶で1と2の暴走族キャストが登壇
ジョージ・ミラー監督のサプライズ登壇で大いに盛り上がった。
同窓会状態になり舞台挨拶は予定より時間が押した。ミラー監督曰く語りだしたら2週間は必要。
1のジェス役の人が劇中マックスに向かってやる貴方に夢中のハンドサインをやってくれたのには感動した。
映画は轟音上映というが、古い映画だからかあまり効果は無かった。というか震災前は劇場が揺れるくらいの音響は普通だった気がするが。節電を口実に環境をケチり始めてから音量が小さくなった気がする。
映画本編は今更語る事もないぐらい名作だ。
僕は世界観といい狂ったアクションといい爆笑なんだが劇場で笑ってる人はあまりいなかった。
特に1の目玉が飛び出すシーンとか
2のブーメランの流れ弾で死ぬホモ恋人とか笑ったが。
2はわりと映画のオーソドックスな形で進行するのは今更だが気づいた。
マックスが砦に訪れ、イニシエーションを経て最終決戦になる分かりやすい映画だった。
ブリット
今月の町山智浩の映画塾だったので観た
マックイーンが刑事役
確かによく思い返せばマックイーンが体制側の刑事とは珍しい。
それでも警察のイメージであるスーツにネクタイはしてない。タートルネックにジャケットとカジュアルな格好だ。
本編中、新聞を万引きするシーンまであって警察とは思えない。この刑事像はフレンチコネクションに繋がる様だ。
ぶっちゃけ見直したがカーチェイスから後半は寝てしまった。
特典映像を観ると脚本のあまりの酷さに監督のピーター・イェーツは断りたかったとかカーチェイスも前作の大列車強盗でやったからやりたくなかったと言ってたのは面白かった。
監督は証人の話は大筋の話ではあるがメインにせずブリットのキャラをメインに置いたらしい。
なのでこの映画はブリットを演じるマックイーンを観る映画なのだ。
車から降りるマックイーンひとつとってもカッコいい。
DVDの2枚組版はマックイーン自身のドキュメンタリーが収録されてるがこれが素晴らしかった。
少し盛り過ぎというか褒め過ぎだが、マックイーンの内面や性格が分かる良いドキュメンタリーだった。
スペシャルID 特殊身分
特殊身分のブルーレイが届いて本編をみた
劇場で観た時いきなり冒頭チープなオープニング、麻雀牌を食わせるシーン、ドニーの微妙にコミカルな演技に前二作の様な映画を期待してる観客は困惑してる空気だった。
麻雀牌で転ぶ敵で観客総笑でこの映画の路線を観客は理解する。
アイスマンに続きこの映画はドニーさんのドニーさんによるドニーさんのためのアイドル映画だ。
この映画のドニーさんは子供だ。中学生だ。
停学で復学を目指す中学生だ。
英語が出来なくてケンカばかりしてるから潜入捜査に左遷されてるという設定。
ドニーは仁義を信じてるが仁義が中学生の先輩後輩レベル。
さすが共演者からドニーは子供のようと言われるだけはある。
物語や描写もツッコミどころ満載だ。
やはりアクションは気合が入ってる。気合が入りすぎて地味になってる。
前二作よりもリアルリアルを追求しすぎな気がする。関節技や固め技、足元を狙う地味な戦法になってしまい、前二作にあったカンフーやドニーのマッハアクションは潜めてしまった。
導火線くらいの折衷具合が丁度いい気がする。
とにかくマジメにみる映画ではないのでドニーのお茶目な姿を大笑いしながら見よう。
特典映像は香港版と違い豊富なのが嬉しい。
谷垣健二さんがるろうに剣心で評価され
関連作ということで特殊身分は公開になった。
ということでカンフージャングルも公開お願いします。
ワイルドカード
ジェイソン・ステイサム主演、サイモン・ウェスト監督の映画。
ステイサムとウェスト監督が組むのはメカニック、エクスペンダブルズ2、今作で3度目だ。
いずれもウェスト監督作はどれも大味で薄っぺらな内容という印象だ。
コリー・ユンとステイサムはトランスポーターで組んでステイサムが本格カンフーを教えた師弟的な仲だ。
ステイサムは去年バトルフロント、ハミングバードとドラマを重視した作品にでてるがいずれも上手くいってない。
もうそろそろ元特殊部隊の訳あり主人公は食傷気味なので新たなキャラに期待したい。
アイスマン
ドニー・イェン主演のアイスマンを再見。
香港映画です。
アイスマンはユン・ピョウ主演のタイムソルジャーのリメイクらしいです。オリジナルは見た事がありません。
明朝時代の秘密警察の錦衣衛のホー・インが現代にタイムスリップして過去に変える方法を模索するというのがメインストーリーです。
冒頭からいきなりスーパーのポリ袋がタイヤに絡まっただけで大クラッシュするトラック。
クラシックした車の荷台から現れたのはタイムスリップしてきたドニーさんでした。登場するや否や400年分の立ちションをします。
そして現代の香港ではちょうどハロウィン祭でした。コスプレーヤーをぶっ飛ばしながらヒロインと運命的な出会いをします。
とまぁこれが冒頭。観客はだいたいこの辺でこの映画の方向性を理解します。マジメに見てはいけない映画です。全編ションベン、ウンコ、オナラとコロコロコミック並のギャグが連続します。
カンフーアクションシーンはマジメです。ドニーのマッハアクションが楽しめます。クラブでのバトルやラストの橋の上での鎖を使った戦いは迫力があります
画像はアクション演出するドニー。チャックが開いてます。
監督はロー・ウインチョンです。ジョニー・トー映画の助監を多くしてる人のようです。その為かトー組の俳優が多く出演してます。サイモン・ヤム、ラム・シューが出演してます。
画像はドニーに殴られ泣き言を言うラム・シュー
ストーリーは良いと思います。シリアスな本筋ですが合間にうんこちんちんギャグを挟んで飽きない様に作ってる印象。うんこちんちんギャグはドニーさんの感覚のようです。メイキングでもロー・ウインチョン監督は置物みたいな感じ。
実は二部作です。伏線はりまくって何一つ解決しません。2では倉田保昭先生が出演するそうです!日本でも公開するといいね!