劇場版 ウルトラマンX きたぞ!われらのウルトラマン
特撮は良かったと思う。
低予算ではあるが、スクリーンに耐えうるクオリティだった。
その考古学者の息子がティガに返信するというのは込み上げてくるものがある。
しかしドラマパートはどうだろう。
子供向けなのは仕方ないにしても
演者たちのキャラクターや性格が余りにもアホすぎる。
創作にこんなこた言いたくないがフザけすぎだ。
白兵戦にしたって横一列に並んで固まって撃つなんて事があるんだろうか。
樋口監督も坂本監督も今回の田口清隆監督も特撮の出身でドラマの演出は例に漏れず上手くないと感じた。
カードやソフビ人形を使ったオモチャとのタイアップの武器やアイテムはあまりにリアリティに欠けすぎでは無いだろうか。
今のウルトラマンは変身というよりは乗り込む操縦型なのは良いが。
今回のウルトラマンのスーツも肩パッドと胸筋が増しててムキムキ感はあるが、コレジャナイ感も出てしまった
マネーショート
アダム・マッケイにスティーブ・カレルということで俺たちニュースキャスターファンなんで観に行ったが。
確かにコメディであるがニュースキャスターのようなドタバタコメディでは無かった。
どちらかというとブラックコメディか。
スティーブ・カレルもフォックスキャッチャー以上に基地の外が抜けてしまって、より人間味ある演技になっていた。
ストーリーもキャストは基地の外系俳優を揃えてはいるがウルフオブウォールストリートのようなアッパー系の話ではなく割と上品に仕上げてる。
金融崩壊の過程を丁寧に追ってるので馬鹿でもとても分かりやすかった。
確かに何百万の人が失業して家を失ったので楽しいオチでは無いのだがやはり少しカタルシスが欲しかったように感じる。
子連れ狼 冥府魔道
自分は海外版のブルーレイを持ってるがフィルムセンターの再上映は少しキズが見れたもののフィルムの保存の状態がいいのかブルーレイよりも遥かに高画質で綺麗な発色だった。
こういうバカ映画を家で1人で見るのも良いが観客と一体になって笑うのも再上映の醍醐味だ。
そういえば数週前の剣の再上映では上映後拍手まで起きていた。
しかし時代劇としてのシリーズ傑作は冥府魔道だ。
前作で行きすぎた荒唐無稽描写から軌道修正。
飛び道具無しの硬派な作品になってる。
1番三隅研次監督らしさが出ている作品で徹底した刀による人体断裂描写も監督が斬る事にこだわった結果だと思う。
今回奇をてらったカメラワークも少なく正統派な時代劇にもかかわらず面白いのはさすが三隅研次監督と思う。
同監督の眠狂四郎無頼剣と同じくエロシーンも無い。
ストーリーは一本の筋からあまり逸脱する事なく分かりやすいはずなのだが少し煩雑な印象を受ける。
三隅研次監督は72年の1作目子貸し腕貸しつかまつるでゴア描写に開眼。
74年のこの作品でシリーズを降板
次回作を75年に狼よ落日を斬れを撮影の後他界してしまう。
これからの活躍を新たに期待した監督だが残念だ。
国内外問わず映画業界に残した影響は計り知れない監督だと思う。