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鉄人28号 白昼の残月

04年の今川泰宏監督の鉄人28号の劇場版である。
しかし中身はスピンオフのパラレルワールド
テレビシリーズとは少し設定が変わっている。
ミステリー部分が少し不親切というか矛盾やツッコミが多い上に先ほど言ったテレビシリーズからの変更部分で混乱する。
もう少し上手くやれれば面白かった気がする。
やはり今川監督が90分長編が初挑戦だったので仕方ないのではあるが。
犬神家の一族のオマージュになってるがそれも上手くいってるようには思い辛い。

アニメーションも低予算だが作画面はあまり破綻なく頑張っている。欲を言えばもう少し鉄人を動かして欲しかった。
まぁ実写版の大コケから長編アニメが作られたのが奇跡のようなものなのだが。

見所は鉄人28号のキャラクター総出演である。テレビシリーズでは本物は即死んでてずっと偽物だったクロロホルムが最後の敵だ。ものすごい極悪ツラになります。
VL2号は活躍なく即ゴッドフィンガーされてやられてしまいます。
序盤伊福部昭氏の祭に合わせて壮大に登場する怪モンスターは目立ってて良かった。
いきなり冒頭の矢島正明さんのナレーションも素晴らしい。
終盤廃墟弾を喰らい顔が爛れ被爆したようになる鉄人はとても印象的だ。

やはりこの映画は実質遺作となった伊福部昭氏の劇伴に尽きる。
祭に兵士の序曲、シンフォニアタプカーラが壮大に鳴り響くシーンは心が盛り上がる。まさにタプカーラがしてしまう。